ページコンテンツ
イントロダクション
マンションに貯水槽はつきものですね。
昔は、地下にコンクリートの水槽を作って汲み上げていましたが、清掃もしづらく、コンクリートのひび割れから汚れがしみ込んで来たり、ひどいところでは、隣に 汚水槽が設置されていたマンションもあります。
近年、樹脂(FRP)製が主流となり、地上に大きなタンクのあるマンションが多く見られるようになりました。それも、錆や藻の発生は避けられず、定期清掃が必要になりました。また貯水槽内に虫や小動物が入り込んで死んでいたり、もっととんでもないことも発生しました。
近年、増圧給水が多くなってきています。一般家庭や4、5階建てのマンションでは水道の圧力で給水できますが、それ以上の高いマンションは途中にポンプを噛ませて、水圧を加え給水するようになりました。
タワーマンションなどでは途中階に貯水槽を設けて給水しています。
弱点は、ポンプが電気で動いているということ。停電発生が断水に直結しています。災害の時、一挙に電気と水を失ってしまいます。
災害対策は日進月歩です。
今日は給水設備です。
平成24年度 第43問
【問 43】
マンションの給水設備計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1、給水設備の計画において、居住者1人当りの1日の使用水量を100リットルとした。
2、ウオーターハンマーを防止するため、給水管内の流速を1.5m/sに抑え、ウオーターハンマー防止装置を水栓等の近くに設置した。
3、ポンプ直送給水方式の受水槽の底部に設置する水抜き管とその排水を受ける排水管との間に設ける排水口空間の垂直距離を最小150mmとした。
4、専有部分の浴室シャワーにおいて、給水に支障が生じないようにするために、必要給水圧力を70KPaとした。
ーマンション管理センター過去問よりー
解答
適切でないものはどれか。ということは✕を探すということ。
1 給水設備の計画において、居住者1人当たりの1日の使用水量を 100ℓとした。
1,居住者1人当たりの1日の使用水量を 100ℓ?
毎日お風呂に入り、トイレに数回入り、自炊していたら・・・。
お風呂湯をためた場合・・・125㍑以上、すでに100は超えている。
シャワーだけの場合24~60㍑
トイレは1回15㍑、3回で45㍑
炊事、手洗い、洗面に使う水を考えても優に100㍑は超えています。非常時でもない限り1人200㍑~350㍑は必要よって1は✖。
答えは1です。
2,3,4も触れておきましょう。
2 ウォーターハンマーを防止するため、給水管内の流速を 1.5m/sに抑え、ウォーターハンマー防止装置を水栓等の近くに設置した。
ウオーターハンマーとは、水道の蛇口の急な開閉、洗濯機の使用の際の水栓の開閉時にガンッ、ガンッという音をたてることがあります。今はかなり少なくなったのですが昔はよく有りました。水撃作用と言われます。配管内の水圧が急激に変化して配管や栓に衝撃音が発生します。
配管内の流速は1,5メートル/毎秒~2,0メートル/毎秒です。できるだけ1,5メートル/毎秒に抑え、水撃防止装置を水栓の近くに設置することが良い対策です。この問は◯。
3 ポンプ直送給水方式の受水槽の底部に設置する水抜き管とその排水を受ける排水管との間に設ける排水口空間の垂直距離を最小 150mmとした。
右図のように15㌢開けるのが正しい。◯。
4 専有部分の浴室のシャワーにおいて、給水に支障が生じないようにするために、必要給水圧力を 70kPaとした。
シャワーの必要給水圧力は40~160KPa(キロパスカル)なので、70KPaはOK。◯。
この問題の正解率はとても高かったでしょうね。
この問題の答えは 1 です。