イントロダクション

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)、安政大地震が発生!(嘉永年間に発生したが、これを機に安政に改元されたため安政の大地震と呼ばれる。)

この地では

宝永4年(1707年)にも大地震が発生しています。

この地とは・・・・東海地方のこと。1707年から1854年の間は147年です。しかし、安政の大地震以来、この地ではこれほど大規模な大地震は発生していません。
2020年と1854年の隔たりは166年です。
地震は周期でやってくるというのが定説です。かなり現在は危険な時期に来ていると考えられます。早急に耐震、制震、免震の研究を進め、自然環境も備震環境を作らねばならない。

でも、いざ大地震が起こってしまったら、自分の命は自分で守る。自分の生活は自分で守る。自分や家族を守りきれたら周りの人を助ける。そんな考え方で乗り切らねばなりません。

心配は尽きませんが、今日は耐震基準の勉強です。

 

第42問

【問 42】
耐震基準並びに耐震診断及び耐震改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

 

1、「建築基準法」に規定される耐震基準について、新潟地震及び十勝沖地震の被害状況を踏まえて、昭和46年に、鉄筋コンクリート造りの柱のせん断補強筋に関する規定が強化され、柱の帯筋の間隔を狭めるという改正が行われている。

 

2、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」では、現行の耐震関係規定に適合しないマンションで、その敷地が都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接する場合において、当該道路(幅員が12m)の境界線から水平距離が10mの地点で建築物の部分の高さが22mのものは、耐震診断を行い、必要に応じ、耐震改修を行うよう務めなければならないとされている特定建築物に該当しない。

 

3、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき平成18年に策定された「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」(以下この問において「基本的な方針」という。)では、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成27年までに少なくとも9割にすることが目標とされている。

 

4、「基本的な方針」によれば、建築物の構造耐力上主要な部分についての耐震診断の結果において、「各階の構造体新指標」(ls)が0.6、かつ、「各階の保有水平耐力に係る指標」(q)が1.0のものは、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。

 

ーマンション管理センター過去問よりー

解答

適切でないもの。すなはち を探す問題。

 

1、「建築基準法」に規定される耐震基準について、新潟地震及び十勝沖地震の被害状況を踏まえて、昭和46年(1971年)に、鉄筋コンクリート造りの柱のせん断補強筋に関する規定が強化され、柱の帯筋の間隔を狭めるという改正が行われている。

1、新潟地震 1964年(昭和39年)、十勝沖地震 1968年(昭和43年)
せん断とは:剪断、剪とは、植物を切りそろえる(剪定する)などのときに使われる「剪」で、ハサミなどで切りそろえること。コンクリートの剪断とは、左図のような力が加えられたとこに発生する応力。

帯筋(おびきん)(Hoop:フープ)とは、柱に作用するせん断力に対して抵抗する鉄筋の事です。帯筋の間隔をせまくすることで、剪断補強できます。よって

 

 

 

 

2、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」では、現行の耐震関係規定に適合しないマンションで、その敷地が都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接する場合において、当該道路(幅員が12m)境界線から水平距離が10mの地点で建築物の高さが22mのものは、耐震診断を行い、必要に応じ、耐震改修を行うよう務めなければならないとされている特定建築物に該当しない。

建築物の耐震改修の促進に関する法律 第 5条 (都道府県耐震改修促進計画)第 3項  左記条項をクリックして内容確認してください。

建築物の耐震改修の促進に関する法律 第5条 第 3項の2:
建築物が地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路(略)の通行を妨げ市町村の区域を越える相当多数の者の円滑な避難を困難にすることを防止するため、当該道路にその敷地が接する通行障害既存耐震不適格建築物(略)について、耐震診断を行わせ、又はその促進を図り、及び耐震改修の促進を図ることが必要と認められる場合、当該通行障害既存耐震不適格建築物の敷地に接する道路に関する事項(略)。

建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令 第 4条 (通行障害建築物の要件)  左記条項をクリックして内容確認してください。

建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令 第 4条 第 1項:
そのいずれかの部分の高さが、当該部分から前面道路の境界線までの水平距離に、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該のイ又はロに定める距離(略)を加えた数値を越える建築物。(略)
イ、当該前面道路の幅員が12m以下の場合 6m。
ロ、当該前面道路の幅員が12メートルを超える場合 当該前面道路の幅員の2分の1に相当する距離。
この問の前面道路は幅員12mだから、イの12m以下に当たる。
境界線から水平距離10mに位置しているのだから。
10m+6m=16m になります。 高さ22mの建物は耐震改修を行うべき特定建築物に該当します。
この選択肢はです。

 

 

 

3、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき平成8年に策定された「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」(以下この問において「基本的な方針」という。)では、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成27年までに少なくとも9割にすることが目標とされている。

2005年(平成17年)10月28日に改正耐震改修促進法が 成立し、2006年(平成18年)1月に施行されました。
大規模地震に備えて学校や病院などの建築物や住宅の耐震診断・改修を早急に進めるため、数値目標を 盛り込んだ計画の作成が都道府県に義務付けされることとなっています。
国土交通省は、建築物の耐震化率を今後10年で90%に引き上げる目標を柱とする基 本方針を施行までに策定

10年後(平成27年)には90%に引き上げる目標を掲げています。よって

 

 

4、「基本的な方針」によれば、建築物の構造耐力上主要な部分についての耐震診断の結果において、「各階の構造耐震指標」(ls)が0.6、かつ、「各階の保有水平耐力に係る指標」(q)が1.0のものは、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。

構造耐力指標(Is値)と水平耐力指標(q値)について。
双方とも値が大きいほど崩壊の可能性が低い。よって

Is 値 0.3≧ 崩壊の危険性が高い 0.3<Is値<0.6 崩壊の危険性がある 0.6≦ Is値 崩壊の危険性が少ない
q 値 0.5≧ 崩壊の危険性が高い 0.5<Is値<1 崩壊の危険性がある 1≦ Is値 崩壊の危険性が少ない

 

 

以上から適切でないものは 2となります。 答えは2。

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