イントロダクション
日本で最初に作られた鉄筋コンクリートのビルは一般に1916年(大正5年)に竣工した、長崎県は軍艦島(端島)にある7階建ての30号棟であると言われている。しかし、実はもっと早くできたビルがありました。
1911年(明治44年)竣工の三井物産横浜ビル(現在のKN日本大通ビル)です。
コンクリートの歴史をたどると古くローマ時代にまで遡る。すでに教会や橋、水道橋などをコンクリートで作っていたようです。ヴェスビオス火山の火山灰と石灰、砕石を水で練って硬化することが知られていました。
しかし、その後長い間使われることなく、1756年イギリスの技術者ジョン・スミートンが新しい製法のコンクリートを考案してから今日に至っている。
さて、今日はコンクリート劣化の問題です。
この手の問題は確実に正解してください。知識です。こういうことをスラスラ言えると、素人衆に尊敬されます。
平成24年度 第36問
【問 36】
マンションの建物(鉄筋コンクリート造)に生じた劣化及びその要因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか>
1、ポップアウトとは、コンクリート表面の小部分が円錐形のくぼみ状に破壊された状態で、凍害、アルカリ骨材反応等が原因で発生する。
2、中性化とは、コンクリートがアルカリ性を失っていく現象で、コンクリートの細孔溶液中の水酸化アルカリと骨材中のアルカリ反応性鉱物との化学反応等が原因で発生する。
3、エフロレッセンスとは、硬化したコンクリートの表面に出た白色の物質をいい、セメント中の石灰等が水に溶けて表面に染み出し、空気中の炭酸ガスと化合してできたものが主成分であり、コンクリート中への水の浸透等が原因で発生する。
4、鉄筋露出とは、腐食した鉄筋が表面のコンクリートを押し出し、剥離させ、露出した状態をいい、新築時のかぶり厚さ不足等が原因で発生する。
ーマンション管理センター 過去問よりー
コンクリート劣化の問題。解答
マンションはコンクリートと鉄骨でできています。10年20年と経つうちに雨や雪外気や人の生活により日々劣化してゆきます。定期的な診断と修繕が必要になります。
1、ポップアウトとは問題文のような状況で、右図のように円錐形のくぼみが発生することを言う。◯。
2、コンクリートの中性化は、元来コンクリートは含まれる水酸化カルシウムの影響でPh12の強アルカリ性である(中性はPh7)が、大気中の二酸化炭素の働きで、徐々にアルカリ性が失われ、中性化したしまうこと。
アルカリ性が失われるとコンクリートで保護されていた鉄筋、鉄骨が酸化(錆びて)してしまう。鉄筋、鉄骨が錆びれば、膨張し、コンクリートにひび割れが生じる。
問題文の後半は「アルカリシリカ反応(アルカリ骨材反応)の説明。
この説明は✕。
3、エフロレッセンスとは、問題文の通り。◯。
4、問題文の通り。◯。
答えは2。