建物の「滅失」の判断は非常に難しい問題です。
建物が、地震や火災その他で被害を受けて、もう使えない状況でも形が残っていたり、水道が使用できたり風雨を避けることができる部分があったりした場合、国は滅失と
は認めてくれません。全壊、半壊、一部滅失などの段階があり、国の保証や保険適用に大きな問題が生じます。
不動産に携わる場合、法律はよく知らねばなりませんね。
私も日々勉強中です。
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令和 2年度 第 6問
〔問 6〕 甲マンション管理組合法人の解散事由に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 甲マンション建物の全部滅失
イ 分譲業者Aによる甲マンションの全区分所有権の買取り
ウ 甲マンション管理組合法人の破産手続開始決定
エ 集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決決議
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
解 答
区分所有法 第55条 (解散)
管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
一 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
二 建物に専有部分がなくなつたこと。
三 集会の決議
2 前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。
上記 区分所有法 第55条を踏まえて、選択肢を見てゆきます。
ア 甲マンション建物の全部滅失
滅失という言葉が区分所有法ではよく使用されます。
法律用語で「滅失」とは、建物が消滅することです。
建物が全部なくなってしまえば、管理すべきものがなくなってしまうわけですから。当然管理組合、管理組合法人は不要になりなくなります。
選択肢 ア は◯ です。
イ 分譲業者Aによる甲マンションの全区分所有権の買取り
この選択肢の文言は区分所有法 第55条に明記してありません。
業者Aが全所有権を買い取った場合、区分所有者が1社なのだから組合は不要かな?と考えてしまいます。しかし、専有部がなくなったと早慶に判断できません。すでに管理組合法人が存在していた場合、管理組合法人の解散は、第三項の集会の決議をもって解散すべきです。
業者が全所有権を買い取ったからと言ってすぐに管理組合法人が解散するわけではないので。
この選択肢は ❌ です。
ウ 甲マンション管理組合法人の破産手続開始決定
法人経営が破綻したとしても、建物は存在し、専有部もあるのだから、管理組合法人の会傘寿にはなりません。
この選択肢は ❌ です。
エ 集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決決議
区分所有法に明記された通りの文章です。
この選択肢は ◯ です。
よってこの問題の答は 2 です。