いよいよ、令和2年度の問題です。
頑張りましょう。
「ケセラセラ」という歌をご存知ですか?
ドリス・デイというアメリカの歌手が、映画「知りすぎていた男」(ヒチコック監督)の中で歌っていた。
スペイン語の「Que Sera, Sera」(なるようになるさ)という意味らしい。
いちいち目の前の困難を嘆いても仕方ないさ。ちょっとした後悔なんてなんとでも取り返しがつくさ。というような内容です。
何事も「なるようになるさ」でも今はこのことに一生懸命取り組もうというのがいいんでしょうね。
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令和 2年度 第 1問
〔問 1〕 規約共用部分及び規約敷地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンション内に、上層階専用、下層階専用の二基のエレベーターがあり、それぞれが一部共用部分である場合に、その大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、清掃等の日常の管理や使用方法については、区分所有者全員の利害に関係しないものとしてそれぞれ上層階、下層階の区分所有者の規約で定めることができる。
2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要する。
3 未利用の規約敷地の一部について、特定の区分所有者に対して特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
4 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、規約に別段の定めがない限り、専有部分との分離処分が禁止される。
ーマンション管理士協会過去問ー
解 答
誤っているものはどれか。・・・誤っている選択肢は1つだけということ。 ❌ を探しましょう。
1 マンション内に、上層階専用、下層階専用の二基のエレベーターがあり、それぞれが一部共用部分である場合に、その大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、清掃等の日常の管理や使用方法については、区分所有者全員の利害に関係しないものとしてそれぞれ上層階、下層階の区分所有者の規約で定めることができる。
問題をよく読んで、内容をしっかり頭に入れてください。Aの場合は〇〇、Bの場合は✖✖。というふうに理論的に考えましょう。
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マンション内に、上層階専用、下層階専用の二基のエレベーターがあり、それぞれが一部共用部分である場合に、その(は)大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、清掃等の日常の管理や使用方法については、区分所有者全員の利害に関係しないものとしてそれぞれ(は)上層階、下層階の区分所有者の規約で定めることができる。
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一部共用部分は大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、区分所有者全員の利害に関係しないものは上層階、下層階の区分所有者の規約で定める。
となります。
すると区分所有法第30条の2項が当てはまります。
区分所有法第30条(規約事項)
1、建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
2、一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。
3、前2項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。
4、第1項及び第2項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。
5、規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。
上記、区分所有法第30条の2項に選択肢1は当てはまるので、この選択肢は ○です。
2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要する。
区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止)
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
- 前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
この問題もよく読まないと引っかかります。
区分所有法第31条の第2項に、一部共用部分の区分所有者の四分の一を超える者。又はその議決権の四分の一を超える議決権を有するものが反対したときは、することができない。
選択肢には一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要する。
同じことを言っているようですが、
区分所有法には「一部共用部分の区分所有者の四分の一を超える者」の反対又は「議決権の四分の一を超える議決権を有するものが反対したとき」のどちらかがあれば規約の設定又は廃止は拒否できる。とある。
選択肢は「一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で」更に「議決権の4分の3以上の賛成」でなければ規約の設定又は廃止はできない。としているので
この選択肢は ❌ということになります。
3 未利用の規約敷地の一部について、特定の区分所有者に対して特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
選択肢2に引用している
区分所有法第31条の第1項:
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
規約敷地は区分所有者全員の共有です。
この場合「特定の区分所有者に対して特に有利な条件」とは他の居住者にとって「不利益な条件」ということになりますね。
それならば他の居住者の承諾が必要になるということになります。
よって、 ○です。
4 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、規約に別段の定めがない限り、専有部分との分離処分が禁止される。
区分所有法第22条(分離処分の禁止):
1、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2,前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第14条第1項から第3項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。
3,前2項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。
選択肢の青字の部分と区分所有法第22条第1後の青字部分は同じことを言っています。全体も同じ内容です。
○です。
この問題の答えは 2 です。