小式部内侍という方をご存知でしょうか?

平安時代の天才歌人の一人です。女房三十六歌仙の一人に数えられています。

しかし、この方、お母さんが彼女を凌ぐ有名な歌の名人でした。お母様は和泉式部とおっしゃいます。

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな   和泉式部 

もうすぐ私は死んでしまうでしょう。あの世へ持っていく思い出として、今もう一度だけお会いしたいものです。というようなことを歌った歌です。情熱的な短歌です。

当時の歌上手は今の歌姫と言われるような存在で、人気抜群の歌人です。

小式部内侍は若い頃から短歌が素晴らしかったので、心無い人々から「内緒で母親に歌を作ってもらっているんじゃないかしらん」などと陰口を叩かれていました。そこで、歌ったのが

大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立      小式部内侍

この歌です。

大江山を越え、生野を通る丹後への道は遠すぎて、まだ天橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの手紙も見てはいません。

お母様に教えてもらえるはずもありません。母がいるところはずっと遠く、大江山へ行く野の道(生野の道)は遠いので、天橋立さえまだ行ったことはありません。母からの手紙なんて見たこともありません。

と嫌味に対して即興で答えたのだそうです。言いたいこと言い、技巧も凝らしたこの歌を聞いた嫌味な男は舌を巻いたということです。

あなたも、隠れた才能をマンション管理士試験に合格して示してください。


 

令和 1年度 第 5問

〔問 5〕 一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(この問いにおいて「一部共用部分」という。)の管理に関する次のマンション管理士の説明のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 

1 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは、一部共用部分を共用する一部の区分所有者だけで行うことはできません。

 

2 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の規約に定めがあるものを除き、これを共用すべき区分所有者のみで行うことになります。

 

3 すべての一部共用部分について、その管理のすべてを区分所有者全員で行う場合には、一部の区分所有者のみで構成される区分所有法第3条に規定される区分所有者の団体は存在しないことになります。

 

4 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません。

ーマンション管理協会 過去問よりー

 

解答

誤っているものはどれか。 ✖ を探す問題です。

一部共用部分については、ほとんど毎年出題されています。一部共用部分についてしっかり理解しておく必要があります。

 

区分所有法第3条(区分所有者の団体):
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

 

区分所有法第11条(共用部分の共有関係):
1、共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2、前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第27条第1項(管理所有)の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
3、民法第177条 の規定(対抗要件)は、共用部分には適用しない。

 

区分所有法第16条(一部共用部分の管理):
一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は区分所有法第31条第2項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。

 

区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止)
1、規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
2、前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

 

※ 1階、2階が店舗で、それより上の階は住宅と言う形状のマンション(嘗ては「下駄履きマンション」などと呼ばれていました)では、店舗部分でのみ使用するエスカレーターや廊下、エレベーター出入り口などがあり、住宅部に続く出入り口が別についていたりします。店舗部分だけで使用する共用部は店舗オーナーたちが維持管理すべき共用部となります。上記の区分所有法の第3条、第11条が当てはまります。

 

では選択肢を見てゆきましょう。

 

1 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは、一部共用部分を共用する一部の区分所有者だけで行うことはできません。

区分所有法第16条にあるように「区分所有者全員の利害に関係するもの、規約に定めがあるもの」は区分所有者全員で管理すると書いてあります。  です。

 

 

2 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の規約に定めがあるものを除き、これを共用すべき区分所有者のみで行うことになります。

これも区分所有法第16条を見て「区分所有者全員の利害に関係するもの、規約に定めがあるもの」は区分所有者全員で管理すると書いてあるので、

区分所有者の利害に関係するものが抜けている。区分所有者全員の規約に定めがあるものだけでは不十分。    です。

 

 

 

3 すべての一部共用部分について、その管理のすべてを区分所有者全員で行う場合には、一部の区分所有者のみで構成される区分所有法第3条に規定される区分所有者の団体は存在しないことになります。

区分所有法第3条(区分所有者の団体):
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

と書いてある。

管理のすべてを区分所有者全員で行う

という場合には、わざわざ「一部共用部分」を管理する團太鳳を作る必要はない。  です。

 

 

 

4 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません。

区分所有法第31上に書いてあるとおりです。  です。

 

この問題の答えは 2 です。

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