通勤の慰めに本を読んでいるのですが、久しぶりにフィリップ・マーロウものを読み返しました。

以前にも書きましたが、レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッド・バイ」です。

筋は知っていたのですが、読んでいてワクワクしました。やはり面白かったし、村上春樹の翻訳で、一語一語が練られていて文章もとても良かった。

中に出てくる、第4代アメリカ合衆国大統領ジェームズ・マディスンの「5000ドル紙幣」。

フィリップ・マーロウはこの紙幣にとてもこだわって人に見せたり自慢しています。

5000ドルって、どのくらいの価値があると思いますか?

令和の今で換算すると、1ドル=110円として、550,000円(55万円)紙幣ということです。高額紙幣ですね。

しかし、この物語「ロング・グッド・バイ」は1953年出版、その頃は円ドル相場は1ドル=360円の固定相場でした。

5000✕360=1,800,000円(180万円(当時))の価値です。日本人の平均月収がその頃は16,000円(1万6千円)くらいだからどれほど高額かわかりますね。

アメリカはそればかりではありません、もっと高額な100,000ドル紙幣もあったようです。

高額紙幣は、あまり一般に流通することはなかったようなので、フィリップ・マーロウが見せびらかす気持ちもわかりますね。

令和 1年度 第 30問

〔問 30〕 監事の職務や権限に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものの組合せはどれか。

 

ア 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならず、また、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

 

イ 理事が不正な行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、監事は、理事長に対し理事会を招集するよう請求することができるが、一定期間内に理事長が招集しないときは、その請求をした監事が理事会を招集することができる。

 

ウ 監事は理事会への出席義務があるが、監事が出席しなかった場合には、理事の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。

 

エ 監事は、理事長が解任され、後任の理事長が選任されていない間に、区分所有者の一人が、規約で禁止している民泊事業(住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)に定める住宅宿泊事業をいう。)を行っていることが確認できたときは、当該区分所有者に対し、規約違反行為の是正等のために必要な勧告等を行うことができる。

 

1 アとイ

2 イとウ

3 ウとエ

4 エとア

 

ーマンション管理士協会過去問ー

解答

正しい選択肢の組み合わせを問う問題。自信のある選択肢が一つでもあると楽ですね。

まずは監事の仕事を確認しておきましょう

標準管理規約第41条 (監事)
1 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。

 

 

ア 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならず、また、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

上記第4・5項 の通り。   です。

 

 

イ 理事が不正な行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、監事は、理事長に対し理事会を招集するよう請求することができるが、一定期間内に理事長が招集しないときは、その請求をした監事が理事会を招集することができる。

上記第6・7項 の通り。   です。

 

 

ウ 監事は理事会への出席義務があるが、監事が出席しなかった場合には、理事の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。

標準管理規約第41条第4項:
4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

上記記載から前段「監事は理事会への出席義務がある」は正しい。

しかし、後段「監事が出席しなかった場合には、理事の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。」については

標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事):
1 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。
2 次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
3 前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

よって、監事が出席しなかったとしても、理事が半数以上出席しており出席理事の過半数で決議することは可能です。

この選択肢ウは  です。

 

 

 

エ 監事は、理事長が解任され、後任の理事長が選任されていない間に、区分所有者の一人が、規約で禁止している民泊事業(住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)に定める住宅宿泊事業をいう。)を行っていることが確認できたときは、当該区分所有者に対し、規約違反行為の是正等のために必要な勧告等を行うことができる。

標準管理規約第67条(理事長の勧告及び指示等):
1項 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。

標準管理規約第39条(副理事長):
 副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う。

 

上記より、規約違反行為の是正等のために必要な勧告等を行うのは理事長であり、理事長不在の場合は副理事長の職務です。監事にこのような勧告をする事はできない。

この選択肢エは  です。

 

この問題の答えはアとイの組み合わせ 1 です。

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