都心のタワーマンションや郊外の大規模マンションなど、数百戸の家庭が生活をしています。中には1,000を超える部屋数があるマンションなど、もう町や市くらいの規模になってきていますね。

そんなマンションの理事長さんなどはそれは、それは大変でしょうね?

と思いきや、実は多くの理事と多くの部会が絶えず意見を出し合い、活発な議論が交わされており活気があるのです。

何しろ、1000戸のマンションの月々の管理費は1戸12,000円だとすれば12,000円✕1,000戸ですから、月々1,200万円年間1億4,400万円の管理費を運用するわけですから会社の経営者のような羽振りの良さです。

大きいだけに修繕積立も大変でしょうが、大きな金額となり運用益を出しているマンションもあります。

最も大変なのは30戸くらいの小さなマンションです。月々36万円の管理費、修繕積立もいくらにもならないうちに30年40年と経ってしまうのですから。修繕の一時金も大変だし、管理員さんを雇ったら足が出ますよね。

マンション生活も難しいものですが、やりようによってはとても快適になります。

その助けをするのがマンション管理士なんです。
マンション管理士

 

令和 1年度 第 27問

〔問 27〕 1棟300 戸の住宅のみで構成されるマンションの管理組合で、理事の定数が25 名である理事会の効率的な運営の在り方として理事会の中に部会を設置することについて理事長から相談を受けたマンション管理士の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

 

1 貴マンションのような大規模なマンションの管理組合では、理事会のみで実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して実質的な検討を行うことが考えられます。

 

2 部会を設ける場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長及び副理事長により構成される幹部会を設けることが考えられます。

 

3 部会を設ける場合、部会の担当業務とされた事項の決議は、そのまま理事会決議に代えることができます。

 

4 部会を設ける場合、副理事長が各部の部長を兼任するような組織体制を構築することが考えられます。

 

ーマンション管理士協会過去問ー

解答

適切でないものはどれか。  ✖ を見つける問題です。

この問題は、標準管理規約第35条(役員)の条文に対するコメントに全て書かれている内容です(主に③)。下に示した条文及びコメントを一読してください。

 

標準管理規約第35条(役員):
管理組合に次の役員を置く。
一 理事長
二 副理事長 ○名
三 会計担当理事 ○名
四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
五 監事 ○名
2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
外部専門家を役員として選任できることとする場合
2 理事及び監事は、総会で選任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

 

標準管理規約第35条 コメント:
① 管理組合は、建物、敷地等の管理を行うために区分所有者全員で構成される団体であることを踏まえ、役員の資格要件を、当該マンションへの居住の有無に関わりなく区分所有者であるという点に着目して、「組合員」としているが、それぞれのマンションの実態に応じて、「○○マンションに現に居住する組合員」((注)平成23年改正前の標準管理規約における役員の資格要件)とするなど、居住要件を加えることも考えられる。

② 理事の員数については次のとおりとする。
1 おおむね10~15戸につき1名選出するものとする。
2 員数の範囲は、最低3名程度、最高20名程度とし、○~○名という枠により定めることもできる。

③ 200戸を超え、役員数が20名を超えるような大規模マンションでは、理事会のみで、実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して、実質的な検討を行うような、複層的な組織構成、役員の体制を検討する必要がある。この場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長、副理事長(各部の部長と兼任するような組織構成が望ましい。)による幹部会を設けることも有効である。なお、理事会運営細則を別途定め、部会を設ける場合は、理事会の決議事項につき決定するのは、あくまで、理事全員による理事会であることを明確にする必要がある。

④ 法人が区分所有する専有部分があるマンションにおいて、法人関係者が役員になる場合には、管理組合役員の任務に当たることを当該法人の職務命令として受けた者に限定する等どのような資格を有する者が実際に役員業務を行うことができるかについて、あらかじめ規約や細則に定めておくことが望ましい。

 

 

1 貴マンションのような大規模なマンションの管理組合では、理事会のみで実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して実質的な検討を行うことが考えられます。

これは大前提ですね。もちろん、です。

 

 

2 部会を設ける場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長及び副理事長により構成される幹部会を設けることが考えられます。

コメント③に:理事長、副理事長(各部の部長と兼任するような組織構成が望ましい。)による幹部会を設けることも有効である。と言う文言により です。

 

 

3 部会を設ける場合、部会の担当業務とされた事項の決議は、そのまま理事会決議に代えることができます。

コメント③の:部会を設ける場合は、理事会の決議事項につき決定するのは、あくまで、理事全員による理事会であることを明確にする必要がある。

部会で決議事項は理事会に上程してその場で決議をする。 よって ✖ 

 

 

4 部会を設ける場合、副理事長が各部の部長を兼任するような組織体制を構築することが考えられます。

選択肢の2と同じく、理事長、副理事長(各部の部長と兼任するような組織構成が望ましい。)による幹部会を設けることも有効である。

ということで、  です。

 

この問題の答えは 3 です。

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