マンションの階数と高さについて。
日本のマンションの多くは5階建て、10階建て、14階建てが多いのです。最近ではタワーマンションなど超高層が多くありますがそれを除いた場合の話です。
実は5階建て、10階建て、14階建てのマンションが多いのにはわけがあるのです。
6階建て以上のマンションは避難階に通じる直通階段が2つ以上必要になります。それだけコストがかかるということです。5階建てであれば1つで良いので5階建てが多いのです。
また、10階建てにも似たような理由があります。10階建ての建物はおよそ31メートルの高さで、この数値で消防法や建築基準法の規制が変わってくるのです。31メートルの高さまで、消防のはしご車が届く限度なのです。また、隣地斜線規制などにも引っかかるようになります。更に非常用エレベーターの設置が義務付けられます。
高さ45メートル、ほぼ14階建を超えた高さの建物には更に厳しい規制がかかるのです。
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令和 1年度 第 23問
〔問 23〕 共同住宅における消防用設備等に関する次の記述のうち、消防法(昭和23 年法律第186号)の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、いずれも地階、無窓階はないものとし、危険物又は指定可燃物の貯蔵又は取扱いはないものとする。
1 地上2階建、延べ面積400㎡の共同住宅には、消火器又は簡易消火用具を、階ごとに、当該共同住宅の各部分からの歩行距離が20m以下となるよう設置しなければならない。
2 地上5階建、延べ面積3,000㎡の共同住宅には、避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものを除き、全ての階に非常電源を附置した誘導灯を設置しなければならない。
3 地上11 階建の共同住宅においてスプリンクラー設備の設置義務があるのは、11階のみである。
4 高さ31 mを超える共同住宅においては、階数にかかわらず、全ての住戸で使用されるカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
ーマンション管理士協会過去問ー
解答
誤っているものはどれか。 ✖を探す問題。
消防法 (国会が制定する命令)
消防法施行令 (内閣が制定する命令)
消防法施行規則 (各省の大臣が制定する命令)
この法令をしっかり一読しておおよその数値を覚えてください。応用が利きます。
1 地上2階建、延べ面積400㎡の共同住宅には、消火器又は簡易消火用具を、階ごとに、当該共同住宅の各部分からの歩行距離が20m以下となるよう設置しなければならない。
消防法施行規則第6条(大型消火器以外の消火器具の設置)第6項:
前各項の規定により設ける消火器具は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める部分から、それぞれ一の消火器具に至る歩行距離が二十メートル以下となるように配置しなければならない。
延べ面積が、150㎡以上の共同住宅は消化器を階ごとに歩行距離20m以下ごとに設置しなければならない。
よって ○です。
2 地上5階建、延べ面積3,000㎡の共同住宅には、避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものを除き、全ての階に非常電源を附置した誘導灯を設置しなければならない。
消防法施行令第26条(誘導灯及び誘導標識に関する基準)によれば、防火対象物の地階、無窓階及び十一階以上の部分には誘導灯、誘導標識を設けなければならないとあり、
本選択肢に書かれているのは地上5階建とあるから、全ての階に非常電源を附置した誘導灯を設置する義務はない。 よって ✖ 。
3 地上11 階建の共同住宅においてスプリンクラー設備の設置義務があるのは、11階のみである。
消防法施行令第12条(スプリンクラー設備に関する基準)第十二項:
前各号に掲げる防火対象物又はその部分以外の別表第一に掲げる防火対象物の十一階以上の階(総務省令で定める部分を除く。)
それぞれ条件を満たして、11階以上の階に設ける。設問の場合、11階のみ設ければ足りる。 ◯ です。
4 高さ31 mを超える共同住宅においては、階数にかかわらず、全ての住戸で使用されるカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
消防法第8条の3第1項:
高層建築物若しくは地下街又は劇場、キャバレー、旅館、病院その他の政令で定める防火対象物において使用する防炎対象物品(どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)は、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
消防法では高さ31 mを超える建築物を高層建築物と定義している。
よって ◯ です。
この問題の答えは 2 です。