イントロダクション

標準管理規約とは?
マンション生活の基本的な約束事を決めたもの。もっと細かいのは使用細則。

マンションライフは一つの村から町くらいの生活圏になります。

村議会でさえ左右各党が入り乱れて選挙が行われます。

数十世帯が集まればいろんな考え方の方々が集まります。

マンション独自の決まり事が必要になります。

その指針になるのが標準管理規約や使用細則です。

マンション標準管理規約は一度一通り通読しておきたいものです。

下記URLでマンション標準管理規約を読めます。

https://is.gd/25UGiV

では問題を見てゆきましょう。

第27問です。これは標準管理規約に関する問題です。

【問 27】
地震により、足場の固定が不完全であった専有部分内の貯湯式電気温水器(この問において「温水器」という。)が転倒し、給水管(枝管)とその結合部の破断により漏水事故が発生した。この場合における管理組合の対応と費用の負担を検討する理事会で各理事の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

 

1、今後の地震対策として、管理組合で全住戸の温水器の設置状況を調査し、足場の固定が不完全な温水器は、管理組合の負担で足場をアンカーボルトで固定する必要があります。

 

2、転倒した温水器と給水管との破断した接合部分の取替えに要する費用について、修繕積立金から支弁して欲しいとの要請があります。

 

3、漏水事故については、温水器の足場の固定が不完全であったことは管理組合の管理に瑕疵があったことになりますので、漏水の被害者への損害賠償金を管理費で負担しなくてはなりません。

 

4、給・排水管については、管理組合で本管のみではなく枝管も含めて点検し、必要に応じて、取替を行う予定です。温水器に接続している部分の給水管を取替えた場合、その費用は各組合員に負担してもらいます。

ーマンション管理センター 過去問よりー

解答

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問題をよく読む
貯湯式電気温水器は誰のものか読み解くーーー各戸についている電気温水器は居住者の持ち物。
固定が不完全という瑕疵の所在は?ーーー居住者の瑕疵と考えられる。(設置業者のミスは2次的な話)
給水管の本管と枝管の継ぎ目から漏水。ーーー瑕疵の所在は原因や影響を鑑みて判断。
1、今後の地震対策として、管理組合で全住戸の温水器の設置状況を調査し、足場の固定が不完全な温水器は、管理組合の負担で足場をアンカーボルトで固定する必要があります。
標準管理規約 第 21条 (敷地及び共用部分等の管理) 左記条項をクリックして内容確認してください。
標準管理規約 第 21条
第 1項:バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行うものとする
第 2項:専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。
とあります。  よって

 

2、転倒した温水器と給水管との破断した接合部分の取替えに要する費用について、修繕積立金から支弁して欲しいとの要請があります。

標準管理規約 第 48条 (議決事項) 左記条項をクリックして内容確認してください。

修繕積立金はこの場合使えない。維持修繕、建て替えのために積み立てる性質のお金。
どうしても管理費でまかないきれない場合に総会決議(標準管理規約48条第6項)で使用に充てることも可能だが、理事会で決めることではない。よって
3、漏水事故については、温水器の足場の固定が不完全であったことは管理組合の管理に瑕疵があったことになりますので、漏水の被害者への損害賠償金を管理費で負担しなくてはなりません。
標準管理規約 第 21条 (敷地及び共用部分等の管理) 選択肢1、の条項をクリックして内容確認してください。
温水器の足場の固定が不完全であったことは居住者の責任。よって
4、給・排水管については、管理組合で本管のみではなく枝管も含めて点検し、必要に応じて、取替を行う予定です。温水器に接続している部分の給水管を取替えた場合、その費用は各組合員に負担してもらいます。
「温水器に接続している部分の給水管」は専有部と考えられます。組合員=居住者。枝管は専有部だから居住者負担で正解。
答えは4。
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