イントロダクション

マンション住まいの難しいところは、ご近所付き合いですね。壁一つ隔てて別の家族が暮らしているのです。

 

気が合う同士なら良いけれど、逆の場合などは、悲惨な現実があります。

 

管理会社のコールセンターに毎日のように「〇〇号室から変な音がする」「〇〇号室の人が駐車してはいけないところに駐車している。早く見に来い」などと四六時中見張っているような隣人からコールが入ります。

 

また、そういう人が気の合った別の部屋の人達とよもやま話に花を咲かせると、いつの間にか〇〇号室をやり玉に挙げて、小声になって「〇〇号室の人は・・・」となってしまいます。

 

付き合いは難しいものです。

 

ついでに、日本語も難しいですね。四六時中、槍玉、よもやま話。簡単に言葉を調べてみましょう。

 

四六時中:九九で言う、しろく、にじゅうし(4✕6=24)から一日24時間ずっとというような意味。旧暦時代は1日が昼を6に分け、夜を6に分けていたので、二六時中と言っていたらしいのですが新しい暦になりゴロがいいのでしろくじちゅうで通るようになった。

 

槍玉に上げる:多くの中から選び出して、攻撃・非難の対象にすること。戦国時代かその前から、戦のときには敵将の首を掻っ切って、「とったどー!」と、槍の穂先に突き刺して周囲に誇示したようです。その行為が語源らしい。

 

よもやま話:とりとめのないいろんな話題の話し合いのこと。四方八方のいろんな話が「よもやも」から語呂のいい「よもやま」になり、漢字を当てて四方山話となったようです。

 

 

閑話休題 閑話休題。

平成30年度  第 5問

【問 5】
未納の管理費等の回収や義務違反者に対する措置に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 

1、未納の管理費等に係る債権は、区分所有法第7条に規定する先取特権の実行としての担保不動産競売を申し立てることにより、他の一般債権者に優先して弁済を受けることができる。

 

2、区分所有法第7条に規定する先取特権は、不動産について登記しなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することはできるが、登記をした第三者に対しては、この限りではない。

 

3、管理者は、区分所有法第59条の規定による区分所有権及び敷地利用権の競売について、規約又は集会の決議により、訴えをもって請求することができる。

 

4、区分所有法第59条の規定による競売請求の判決に基づく競売の申立は、その判決が確定した日から6ヵ月以内に行わなければならない。

 

ーマンション管理センター 過去問よりー

解答

誤っているものはどれか?

 を見つける問題。

問題用紙は持ち帰りできるので、書き込みしても何の問題もありません。絶対に自信を持って、なりなり付けられるものは書き込んで、4択を3択、2択にして解答率を上げましょう。

今回の問題は、「先取特権」について知らないといけません。

先取特権とは:法律で定められたある種の権利を、債務者の財産から他の債権者よりも優先的に弁済を受けることができる権利。

滞納している管理費を滞納者の財産を処分してできたお金の内、他の債権者よりも優先的に弁済を受けることができる特権ということ。これは、法律で定められていますが、いろいろな制約もあります。

民法における一般の先取特権は4つあります。
共益の費用
雇用関係
葬式の費用
日用品の供給

法で決まっているというところが、抵当権とちがうところです。抵当権は相互の契約が必要です。

また、法で決まっていても、登記された抵当権等がある場合には、その処分された財産の処分に関して先取特権は優先されません。

 

1、未納の管理費等に係る債権は、区分所有法第7条に規定する先取特権の実行としての担保不動産競売を申し立てることにより、他の一般債権者に優先して弁済を受けることができる。

区分所有法 第 7条 (先取特権)  左記の条項をクリックして内容確認しておいてください。

民法 第 303条(先取特権の内容) 左記の条項をクリックして内容確認しておいてください。
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

区分所有法 第 7条:
1項:(抜粋)区分所有者は、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
2項:(抜粋)共益費用の先取特権とみなす。(上掲の優先順位最上位)

この選択肢は  です。

 

2、区分所有法第7条に規定する先取特権は、不動産について登記しなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することはできるが、登記をした第三者に対しては、この限りではない。

先取特権について書いた上記の文章を再確認してください。    です。

 

3、管理者は、区分所有法第59条の規定による区分所有権及び敷地利用権の競売について、規約又は集会の決議により、訴えをもって請求することができる。

区分所有法第59条 (区分所有権の競売の請求)  左記の条項をクリックして全文確認しておいてください。
区分所有法第59条第1項:(抜粋)他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。

「集会の決議に基づき」と飲み欠かれています。規約で訴えをもって請求することはできない。   この選択肢が ✖ です。

 

4、区分所有法第59条の規定による競売請求の判決に基づく競売の申立は、その判決が確定した日から6ヵ月以内に行わなければならない。

区分所有法第59条第3項:第1項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。

そのまま  ○ です。

 

この問題の答えは  3  です。

 

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