般若心経というお経をご存知でしょうか。

はるか昔、中国の唐の時代に三蔵法師 (玄奘三蔵)がインドから持ち帰って翻訳したお経です。私のような無宗教の人間でも「ハンニャーハラーミタシンギョウ・・・」などというお経を聞いたことがあります。

正式には「般若波羅蜜多心経」といいます。たった、262文字の漢字で構成されているお経ですが、仏教の真髄が込められているのです。このお経の中で、人間をを形作っているのは「五蘊」というもので、色、受、想、行、識 の五つだといいます。

色:形あるもの、物質。  受:感受。肉体的、精神的な感覚。 想:概念的な事象を想うこと。  行:意識作用、心がある方向に動くこと。  識:認識。知ること。

このお経の中で「色即是空」と言っています。

色とは物質のこと。私達の体も、机や自動車も花も山も「色」です。そしてその「色」は「空」すなわち、存在しない移ろいゆく一つの概念に過ぎないのだと言うのです。自分の存在も「空」なのです。「空」なのだから世の苦しみや悲しみも「空」であり、心を開放しなさいということです。

どんなに科学が発達して、方程式や法則が発見されたとしても、全宇宙を貫く唯一絶対の法則はいまだ見つからないすなわち「空」なのだと。

どうも難しいのですが、なんとなく深いなーと思いますね。

西洋哲学の「我思うゆえに我あり」という考え方とは随分違うなあと思います。

勉強はすればするほど難しいものです。マンション管理士の仕事には、深く考えれば考えるほど難しい問題が内包されています。法律と人、人と人、物との関わり。マンション管理士試験は合格してからが大変です。

脅かしているわけじゃないんです。頑張ってもらいたいのです。

ジョン・レノンのイマジンを聞いて心を落ち着けて勉強しましょう。




平成30年度 第49問

〔問 49〕 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」(最終改正平成28年3月14 日 国土交通省告示第490 号)において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関するものであるが、適切でないものはどれか。

 

1 管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとることが重要である。

 

2 管理組合の管理者等は、マンション管理の目的が達成できるように、法令等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行する必要がある。

 

3 管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、その作成にあたっては、管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「マンション標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。

 

4 管理組合の管理者等は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。

 

ーマンション管理協会 過去問よりー

解答

適切でないものはどれか。  ✖ を探す問題。

 

1 管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとることが重要である。

「マンションの管理の適正化に関する指針」マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項の管理規約の項に

管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとることが重要である。

全く同じ。

○ です。

 

 

2 管理組合の管理者等は、マンション管理の目的が達成できるように、法令等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行する必要がある。

管理組合の管理者等とは、理事長や理事、監事などを言います。

そういった役を引き受けた以上、法令等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行するのは当然だと思います。それだけでは根拠が不十分ですよね。

そこで

マンションの管理の適正化に関する指針:
二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項:
1 管理組合の運営:
管理組合の管理者等は、マンション管理の目的が達成できるように、法令等を遵守し、マンションの区分所有者等のため、誠実にその職務を執行する必要がある。

全く同じ文章を見つけました。    ○です。

 

 

3 管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、その作成にあたっては、管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「マンション標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。

文章を読むと、ごく当然のことが書いてありますよね。・・・。

選択肢2と同じく、ちゃんと裏付けがあります。

マンションの管理の適正化に関する指針:
二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項:
2 管理規約:
管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、その作成にあたっては、管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「マンション標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。

全く同じ文章を見つけました。    ○です。

 

 

4 管理組合の管理者等は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。

これも、ごく普通。当然のことが書いてあるように見えますが・・・。

したがって、の後は間違いなく◯ ですが、前提の「管理組合の管理者等は、管理組合の最高意思決定機関である。」ということに大きな問題がある。

日本の主権は内閣にある と言ってるようなものです。日本の主権者は国民です。

マンションの最高意思決定機関は管理組合の「集会」です。  これが  です。

 

答えは  4  です。

あなたも、マンションの管理の適正化に関する指針は何度か読んで頭に入れておいてください。

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