「上を向いて歩こう」 という歌がありました。

坂本九さんが歌い、永六輔・中村八大の名コンビによる楽曲です。1961年(昭和36年)発売。

「上を向いて、歩こう、涙がこぼれないように・・・」と言う詩です。軽快なリズムの中に哀愁があり、遠くから応援されているような気持ちになりますね。

永六輔さんが中村メイ子さんに失恋して、涙をポロポロ流していた時、メイ子さんが「上を向いて歩いてね、涙がこぼれないようにね」と優しくなぐさめたのが作詞の原点だったようです。永六輔さんは、学生運動の敗北感を詩にしたと言っているようですが、全体の詩を見ると、失恋が本当だったのかもしれませんね。

上を向いてもビルが林立して空も見えないような環境にならないように、建築基準法があります。さあ、建築基準法の勉強です。

平成30年度 第21問

〔問 21〕 共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法(昭和25 年法律第201号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

 

1 建築主は、防火地域及び準防火地域外にある共同住宅を増築しようとする場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が5㎡であるときは、建築確認を受ける必要はない。

 

2 政令で定める技術的基準に従って換気設備を設けた場合を除き、共同住宅の居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、20 分の1以上としなければならない。

 

3 主要構造部が準耐火構造である共同住宅の3階(避難階以外の階)については、その階における居室の床面積の合計が150 ㎡ である場合、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

 

4 防火地域内にある共同住宅の屋上に設ける高さ2mの看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

 

ーマンション管理協会 過去問よりー

解答

誤っているものを探す。   を見つける。

1 建築主は、防火地域及び準防火地域外にある共同住宅を増築しようとする場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が5㎡であるときは、建築確認を受ける必要はない。

建築基準法第6条第2項:
前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

前項の規定は上記青字の建築基準法第6条をクリックして確認しておいてください。建築申請が必要な建築物の増築について書いてありますが防火地域及び準防火地域外にある共同住宅は十平方メートル以内であるときは必要ないとあります。  よって、この選択肢は  です。

 

 

2 政令で定める技術的基準に従って換気設備を設けた場合を除き、共同住宅の居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、20 分の1以上としなければならない。

建築基準法第28条 左記条項をクリックして全文確認しておいてください。
第2項:居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。

条文通りです。   です。

 

 

3 主要構造部が準耐火構造である共同住宅の3階避難階以外の階)については、その階における居室の床面積の合計が150 ㎡ である場合、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

まず、この建物が共同住宅で準耐火構造であること。3階建てで、この居室が避難階以外にある。床面積の合計が150㎡であります。

建築基準法第121条左記条項をクリックして全文確認しておいてください。
第1項の五:ホテル、旅館若しくは下宿の用途に供する階でその階における宿泊室の床面積の合計、共同住宅の用途に供する階でその階における居室の床面積の合計又は寄宿舎の用途に供する階でその階における寝室の床面積の合計が、それぞれ百平方メートルを超えるもの。その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない。)

との記載があり、この選択肢の居室床面積の合計は150㎡なので、 ◯ としたいところですが・・・。

第2項:主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「五十平方メートル」とあるのは「百平方メートル」と、「百平方メートル」とあるのは「二百平方メートル」と、「二百平方メートル」とあるのは「四百平方メートル」とする。

というような緩和条件が書かれています。100㎡を200㎡、200㎡を400㎡とすると書いてあるので、150㎡は300㎡とするということらしいので、この場合その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設ける必要はないということになります。

この選択肢は    です。

 

 

4 防火地域内にある共同住宅の屋上に設ける高さ2mの看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

建築基準法第66条(看板等の防火措置)防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

さらさらと条文を読んで、そうか、3メートルを超えていないので主要な部分を不燃材料で造り、又はおおう必要はないのか・・・。じゃ、✖ だね。と思う人がいたら アウト!!。

接続詞の「又は」をしっかりよんでくださいね。

実は、私もそんな失敗をした経験がるからです。 「及び」とか「又は」をうまく使っているのですね。「又は」はA・B・…の少なくとも一つの意(全部でも可)なのです。ですから、屋上に設けるものは主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。のです。よって、  ◯  です。

この問題の答えは 3  です。

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