「午後の遺言状」という映画がありました。1995年度の作品。人の老いと生と死を様々な面からひとつの物語にした作品です。

2012年に101歳で亡くなられた新藤兼人監督の作品です。

新藤兼人監督は百萬ドルのエクボと言われた「乙羽信子」さんを主役に多くの映画を撮られています。NHKのドラマ「おしん」でも活躍された、乙羽信子さんは新藤兼人監督の奥様です。杉村春子、朝霧鏡子さんなど懐かしい顔が出演していました。

平成30年度 第17問

〔問 17〕 甲マンション305 号室を所有するAは、「305号室を娘Bに遺贈する。」という内容の遺言(以下「本件遺言」という。)をした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1 本件遺言が公正証書によってなされた場合には、本件遺言を撤回することはできない。

 

2 Aが本件遺言をした後に、「305 号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をした場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

 

3 本件遺言が自筆証書によってなされた場合において、Aが本件遺言をした後に、文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされる。

 

4 Aが本件遺言をした後に、305号室を友人Dに贈与した場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

 

 

ーマンション管理協会 過去問よりー

解答

誤り  を見極める。

1 本件遺言が公正証書によってなされた場合には、本件遺言を撤回することはできない。

民法1022条(遺言の撤回):
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

本人は、遺言の方式に従っていつでも前の遺言を撤回することが出来る。よって  ✖  。いきなり✖です。

 

 

2 Aが本件遺言をした後に、「305 号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をした場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

民法第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
1、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2、前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

のちの遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

これは正しい。   。

 

 

3 本件遺言が自筆証書によってなされた場合において、Aが本件遺言をした後に、文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされる。

民法1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄):
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

「文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為」をした場、この法律が適用される。  ○  。

 

 

 

4 Aが本件遺言をした後に、305号室を友人Dに贈与した場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

選択肢 2の民法1023条の2:
2、前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

ということなので、「後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。」に準用される。  よって  。

 

比較的簡単な問題でした。

この問題の答えは  1  です。

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