「なにわ金融道」と言う漫画がありました。青木雄二さんの独特なタッチの絵と猥雑と言う言葉がぴったりな商品名や街の名前や会話。
裏社会を垣間見ることのできるようなワクワクさせられる内容でした。
街金とかヤミ金と呼ばれた消費者金融。1970年から2000ころ当時、TとかAなんていう大手消費者金融もかなりあくどい対応だったとか。
当時はサラ金と呼ばれていました。

お金を借りる時は気をつけてくださいね。

平成30年度 第13問

〔問 13〕 Aは、弟Bが事業資金500 万円の融資をC銀行から受けるに際して、Aが所有し、居住している甲マンションの103 号室にC銀行のために抵当権を設定し、その登記もされた場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、BのC銀行に対する債務について、Bの意思に反してもC銀行に対して、第三者としての弁済をすることができる。

 

2 C銀行の抵当権の効力は、Aが有する共用部分の共有持分には及ばない。

 

3 C銀行の抵当権の実行により、Aが103 号室の所有権を失った場合には、AはBに対して求償することはできない。

 

4 Aが103号室を売却するときは、C銀行の承諾を得なければならない。

 

ーマンション管理協会 過去問よりー

解答

正しいものはどれか。  を探す。

1 Aは、BのC銀行に対する債務について、Bの意思に反してもC銀行に対して、第三者としての弁済をすることができる。

Aは弟Bのために自分の所有するマンションに抵当権を設定して、Bが銀行から融資を受けられるようにしました。もし、弟Bが返済できないときはAのマンションは競売にかけられてしまいます。
Aは優しいお兄さんです。Bが返済できない場合Bの意思に反しても銀行にBの負債を返還することができます。

いかにも当然のようですね。

裏付けは民法の規定です。

この問題のAさんは「物上保証人」となります。

物上保証人とは:他人の債務を担保するために、自己所有の財産に質権または抵当権を設定した者。普通の保証人とは異なり、債務者の債務を弁済する義務はなく、単にその提供した財産の範囲で物的有限責任を負うにとどまる。

そして民法474条:
第1項:債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。
第2項:利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

民法第351条:
他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。

民法第372条:
第296条、第304条及び第351条の規定は、抵当権について準用する。

と書いてあります。

物上保証人は利害関係を有する第三者です。

この選択肢は です。
  

2 C銀行の抵当権の効力は、Aが有する共用部分の共有持分には及ばない。

マンションの専有部の所有権と共用持ち分は分離できませんね。

区分所有法第15条(共用部分の持分の処分):
第1項:共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
第2項:共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。

よって   。

 

 

3 C銀行の抵当権の実行により、Aが103 号室の所有権を失った場合には、AはBに対して求償することはできない。

この問題の選択肢1の解説に書いた、民法第351条、民法第372条、を読み返してもらえばわかるように、

「他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。」

この規定は「抵当権について準用する。」となっています。

お兄さんは弟に求償できる。  よって、 ✖ 

 

 

4 Aが103号室を売却するときは、C銀行の承諾を得なければならない。

兄Aが、弟のために抵当権のついたマンションを売却すると、弟に伝えることはあると思います。まあ、これは人情ですが、法律にそんな規定はありません。

抵当権が登記してあれば、Aさんが仮にCさんにマンションを売却しても抵当権はそのまま残ります。登記簿を見れば抵当権がついていることはわかるので、Cさんはそれを承知でマンションを購入したということです。

この選択肢も ✖ 

 

この問題の答えは 1  です。

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