イントロダクション

管理所有とは、マンションの共用部を「特定の者」が管理すること。

共用部分は区分所有者の共有ですから、区分所有者全員が管理をするのが原則ですが、なかなか大変です。全員の同意が得られないと何もできないとか、いちいち理事会、総会に諮らなくては管理できないようなことになると面倒です。

そこで規約に定めることによって共用部分の管理を特定の者に任せることができることにしたということです。

問題を解く前に

何度も言いますが、突然問題に当たらないようにお願いします。
予備知識と言うか、潜在意識の中にマンション管理士の種を植えるためにも通読が必要です。どんな芽が出るか楽しみです。その後どんどん問題をやって肥料を与えましょう。

これからマンション管理士の資格を取るために、勉強を始めるあなたにやっていただきたいことは、まず「マンション管理の知識」を一度通読することです。意味がわからなくても、きちんと最後まで読んでください。それが最も大切なこと。会社や学校の行き帰り、空いた時間を使って、一回必ず読み切る・・・これが最重要!

 

私もわからないまま読みました。読み進めるうちに、知ってるつもりでいた単語が法律上別な意味を持っていることがわかってきました。法律用語は自分勝手な常識では理解できません。客観視できる目が必要。

その際、線を引いたりマーカーを塗ったりしないことが重要です。語句を頭に入れてくれればよいのです。区分所有法、標準管理規約、管理、相続。いろいろな言葉が出てきますが、今まで知っていた意味と違うことが本当に多いのです。

語句を読み頭に入れておいてください。そして、問題に当たりながら2回通読してください。その後は赤線を引こうが、各色のマーカーを塗ろうが、書き込みをしようが構いません。

平成24年度マンション管理士試験 第6問です。

【問 6 】
管理所有に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

1、規約に特別の定めを設けても、管理者以外の区分所有者に共用部分を管理所有させることはできない。

 

2、規約に特別の定めを設けても、建物の敷地を管理者に管理所有させることはできない。

 

3、規約に特別の定めを設けることによって、共用部分を管理所有とした場合、その旨を登記しなければならない。

 

4、管理所有者は、共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、共用部分の変更は行うことができない。

 

ーマンション管理センター 過去問よりー

解答

・管理所有とは?

区分所有法 第27条(管理所有)   左の文字をクリックして内容を確認してください。

管理者とは:集会の決議によって、専任された管理者を言う。理事長や理事などと考えて良い。

区分所有法によれば、正しいものはどれか?を探す。

 

1 規約に特別の定めを設けても、管理者以外の区分所有者に共用部分を管理所有させることはできない。

管理所有自体便宜的なものです。集会室や談話室など、日常の保存行為が必要な共用部を管理者などに管理所有させて維持しようというのが考え方です。便宜面から考えて、マンションの区分所有者にも管理所有してもらったほうが便利。でも、一般区分所有者は嫌がるでしょうね。管理者だって面倒なんだから。規約で定めれば区分所有者も管理所有できます。

 

2 規約に特別の定めを設けても、建物の敷地を管理者に管理所有させることはできない。

上記 区分所有法の第27条1項に「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」と書いてありますが、敷地を所有することについては触れていません。建物の敷地を管理者に管理所有させることはできない。

 

 

3 規約に特別の定めを設けることによって、共用部分を管理所有とした場合、その旨を登記しなければならない。

管理所有はマンション運営のための便宜的、一時的所有権の移転であるから、登記することはできない。

 

 

4 管理所有者は、共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、共用部分の変更は行うことができない。

共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないものの変更はできる。大きな変更の有る場合は集会の決議が必要。元々修理などの保存行為をいちいち総会に諮ってするのが面倒だから、便宜的に所有者のするような保存行為を管理者が独自にできるように下ということ。だから

【問6】の答えは2。

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