マンションの防犯に関する問題は毎年1問出題されています。
エレベーターホールは夜間 何ルクス?自転車置き場は何ルクス?エントランスホールは何ルクス?マンション内のいろいろな場所に明るさの目安があります。
薄暗いマンションは印象も良くないし、防犯にもよくありません。どれくらいの明るさが適当なんでしょう。
・共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・共用メールコーナーの照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・ 共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・その他の階のエレベーターホールの照明設備は、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・エレベーターのかご内の照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・共用廊下及び共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・自転車置場・オートバイ置場の照明設備は、屋外に設置されている場合には、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において3ルクス以上、屋内に設置されている場合には床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・通路の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、路面において3ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
・児童遊園、広場又は緑地等の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、地面において3ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
《防犯優良マンション標準認定基準》
50ルクス→10m先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる程度以上の照度
20ルクス→10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかわかる程度以上の照度
3ルクス →4m先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度
光の値の表し方
ルーメン:全光束lumen (lm)、LED照明の明るさは、ルーメンという単位で示されます。数値が大きければ大きいほど、明るくなっていきます。すべての光の明るさである「全光束」の量を表す単位です。今までは、明るさと電力消費量(Wワット)が比例していたので、明るさをWワットで判断していましたが、LED化されてかなりのズレが生じています。現在はLED電球でも60W相当の明るさなどという表現ですが、将来はルーメン表示になってゆくでしょう。
ルクス:照度(Lux)、光源からの光によって、照らされた場所にどれだけの明るさがあるかを示す数値。光源から遠いほど数値は小さくなります。1ルクスは「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」と定義されています。
カンデラ:光度(cd)、光源から出る光の強さを数値化したもの。ルーメンは光源の全光束でカンデラはある特定の方向へ出てゆく光束を数値化したもの。ちなみに、カンデラの語源はキャンドルで、1カンデラ(cd)はろうそく1本の明るさが目安なんだそうです。一般的なLEDの光度はおよそ50ミリカンデラ(mcd)です。
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令和 1年度 第 24問
〔問 24〕 甲マンションの管理組合から、改修計画において、防犯に配慮した設計とする上で留意すべきことの相談を受けたマンション管理士の次の発言のうち、「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」(最終改正平成18年4月20日 国住生第19号)によれば、適切なものはいくつあるか。
ア 甲マンションには、管理員室が設置されていることから、住戸内と管理員室の間で通話が可能な機能を有するインターホンを設置することが望ましいので、検討してください。
イ エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するようにしてください。
ウ 接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシー確保及び防犯上の観点から、周囲から見通されないように配慮してください。
エ 居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討するようにしてください。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
ーマンション管理士協会過去問ー
解答
適切なものはいくつあるか?
◯ が、アからエの4っつの選択肢の中にいくつあるか見つける問題。
まず、
「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」とはなにか知っておきましょう。左記「」内の青字をクリックして内容を確認してください。
・共同住宅に係る防犯上の留意事項。
・防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について。
の2項目について確認できます。
ア 甲マンションには、管理員室が設置されていることから、住戸内と管理員室の間で通話が可能な機能を有するインターホンを設置することが望ましいので、検討してください。
「共同住宅に係る防犯上の留意事項」
2専用部分の(2)インターホン:
ア 住戸玄関の外側との間の通話機能を有するものであること。
イ 管理人室が置かれている場合には、管理人室との間の通話機能を、また、オートロックシステムが導入されている場合には、共用玄関扉の電気錠と連動し、共用玄関の外側との間の通話機能を有するものであることが望ましい。
上記記載から ア は ○です。
イ エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するようにしてください。
「共同住宅に係る防犯上の留意事項」
1共用部分(5)エレベーター:
ア かご内に防犯カメラが設置されたものであることが望ましい。
イ 非常の場合において、押しボタン等によりかご内から外部に連絡又は吹鳴する装置が設置されたものであること。
ウ かご及び昇降路の出入口の戸は、外部からかご内を見通せる窓が設置されたものであること。
エ かご内は、人の顔、行動を明確に識別できる程度以上の照度が確保されたものであること。
上記記載から イ は ○です。
ウ 接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシー確保及び防犯上の観点から、周囲から見通されないように配慮してください。
「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」
第3 新築住宅建設に係る設計指針 3 専用部分の設計 (4) バルコニー ウ 接地階のバルコニー:
・接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシーの確保に配慮しつつ、周囲からの見通しを確保したものとすることが望ましい。なお、領域性等に配慮し、専用庭を配置する場合には、その周囲に設置する柵又は垣は、侵入の防止に有効な構造とする。
防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針についての条文は選択肢と相反します。 ✖ です。
エ 居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討するようにしてください。
「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」
第4既存住宅改修の設計指針。1 既存住宅改修の計画。(1) 既存住宅改修の計画・設計の進め方。エ 居住者の意向による改修の進め方:
・居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕等に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討する。
条文そのままです。 ○です。
この問題の答えは 3 です。
「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」は優しい言葉で、明瞭に短く書いてあります。問題にあたったときに通読してください。