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イントロダクション
都市計画で思い出すのは 東京大田区の田園調布です。
かの 渋沢栄一翁が『理想的な住宅地「田園都市」の開発』を目的として開発した土地です。現在は日本一の高級住宅地として有名ですね。現在の大田区田園調布の大部分の地域が第一種低層住居専用地域と第2種風致地区となっています。
田園調布駅から放射状に伸びる並木道が美しく、フランスのエトワール式道路、アメリカ
のサンフランシスコ郊外のセント・フランシス・ウッドという街をモデルとして作られたそうです。地盤もしっかりしており、関東大震災後、都市に住んでいた多くの人が移住してきたそうです。
渋沢栄一のビジョンが現在も生きている素晴らしい街です。
令和 1年度 第 20問
〔問 20〕 地域地区に関する次の記述のうち、都市計画法(昭和43 年法律第100号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
2 特定街区については、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めるものとされている。
3 第一種中高層住居専用地域においては、都市計画に、高層住居誘導地区を定めることができない。
4 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができない。
ーマンション管理士協会過去問ー
解答
誤っているものはどれか。 ✖ を探す。
まず、都市計画法とはどんな法律なのか概要を調べましょう。
都市計画法とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることによって、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的に、1968年(昭和43年)に制定され、1969年(昭和44年)に施行された法律。
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための「土地利用」道路、公園、水道、学校等の「都市施設」及び「市街地開発事業」に関する計画。
都道府県が指定した「都市計画区域」市街化区域、市街化調整区域、用途地域の指定。都市計画事業の認可や施行。都市計画制限などについて定める。
1 市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
👉市街化区域とは:都市計画区域の一つ、すでに市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域。
👉市街化調整区域とは:市街地開発をあまり進めず、建物の建築等にはいろいろな条件をつけて、無秩序な市街地の拡大を防ぐ地域。
👉用途地域とは:土地の使用に際して、指定された用途のみで使用するとされた土地。用途地域は主に「住居系」「商業系」「工業系」の3っつに市町村が指定します。
都市計画法第13条(都市計画基準)第1項七:
地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居、商業、工業その他の用途を適正に配分することにより、都市機能を維持増進し、かつ、住居の環境を保護し、商業、工業等の利便を増進し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。
市街化調整区域はもともと多くの条件付の上に設備や建築物を作るが、市街化区域は都市化を推進しているので、地域の市町村がそれぞれ用途地域を定めて建築物を作る。
1の選択肢は ◯ です。
2 特定街区については、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めるものとされている。
都市計画法第9条第20項:
特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。
特定街区とは、都市計画法の地域地区の一つです。高層ビルを建設するために容積率、高さ制限壁面位置等のついての規制が一定条件により緩和されます。この緩和により超高層ビルの建築が可能になりました。
制限を定めるものとされている。というと、いかにも厳しくなるようですが、制限がゆるく定められる場合もあります。
この選択肢は ◯ です。
3 第一種中高層住居専用地域においては、都市計画に、高層住居誘導地区を定めることができない。
👉第一種中高層住居専用地域とは:都市計画で定められた用途地域の一つで、主に3階以上のマンションなど中高層集合住宅を建設してゆく地域のこと。中高層住宅に関わる良好な住居の環境を保護するための地域。
👉高層住居誘導地区とは:住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、高層建築物を建設する場所の容積率や斜線制限、日影規制を緩和する地区。対象地域は第一種住居地域等の用途地域で400%又は500%の容積率が指定されている地域内に指定されます。
都市計画法第9条:
第3項 第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする
第17項 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第五十二条第一項第二号に規定する建築物の容積率が十分の四十又は十分の五十と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建蔽率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。
高層住居誘導地区は第一種中高層住居専用地域には定めることはできない。と、言うことです。第一種中高層住居専用地域は中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域であり、高層住居誘導地区は住居と住居以外の用途とを適正に配分して建設しようという考えのため、第一種中高層住居専用地域においては、都市計画に、高層住居誘導地区を定めることができない。
のです。 ◯ 。
4 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができない。
👉準都市計画区域とは:都市計画区域外の区域において、今後市街化が進むであろう区域に土地の開発について一定の規制を設ける区域を言う。都道府県が指定する。
将来市街化が見込まれる都市計画区域街の土地の開発に予め規制をしておく地域のこと。
👉高度地区とは:各自治体(特定行政庁)が様々な用途地域に対し定めた高さ制限です。
都市計画法第8条(地域地区):
1、都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。