イントロダクション
いよいよ平成24年度の問題も半分になります。25問中20問は正解したいものですね。
マンション管理士試験の配分は区分所有法のみの問題が15から16%。民法と区分所有法を絡ませた問題が10%。合わせて25%強です。
区分所有法は大事。ちなみに維持修繕関係が20%。合計45%。
集会・会議で思い出したのが
ウイーン会議:フランスの英雄ナポレオンがヨーロッパ制圧を目指したが、戦線拡大のため敗戦。いわゆるナポレオン戦争の戦後処理を議題にしてウイーンで開かれた会議。各国元首や、多くの領主が出席してそれぞれの利害が対立して会議が進まず、結論が出るまで1年近くかかった会議のことです。会議を主催したオーストリア宮廷は絶えず派手な招宴を催したことから、「会議は踊る・されど会議は進まず」と揶揄されました。
マンションの総会でも、当然全員の賛成が得られるだろうと思われるような案件でも反対者が出ることが多い。なぜ?と首をひねるかもしれませんが、多くの人の中には考え方の違う人がいるものです。そこで、過半数、4分の3、5分の4とかいう決定要件が区分所有法で決められました。
第25問。この問題も区分所有法に関わる問題です。
【問 25】
「機械式駐車場の一部撤去に関する件」という議題で招集された集会における区分所有者の次の発言のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、機械式駐車場は区分所有者全員の共有に属するものとする。
1、議題は、通知されていますが、議案の要領は、本日、会場で出席者に配布され事前に通知されていません。各区分所有者は、会議の目的たる事項についてあらかじめその内容を知り検討したうえで、集会に出席したり、又は書面により議決権を行使したりすることができませんので、決議しても無効です。
2、撤去対象になっている駐車場はパレット毎に専用使用権が設定され分譲時に対価を支払っており、分譲時からあまり時間が経過していないので、その精算を行うことなく撤去を求めることは専用使用権を有する区分所有者に特別の影響を及ぼすこととなります。影響を受ける区分所有者が同意していない限り決議しても無効です。
3,議案の要領の内容には、機械式駐車場に隣接する別の附属設備であるバイク置き場の撤去も盛り込まれていますが、それにもかかわらず、議題として通知されていません。本来別の議題とすべきで、それを含めて集会で決議することはできません。
4、機械式駐車場及びバイク置き場は、区分所有者全員の共有に属する附属施設なので、その撤去を行い更地にする場合は、共有物の処分行為に当たります。したがって、撤去については、区分所有者全員の同意がない限り、実施することはできません。
解答
1、議題は、通知されていますが、議案の要領は、本日、会場で出席者に配布され事前に通知されていません。各区分所有者は、会議の目的たる事項についてあらかじめその内容を知り検討したうえで、集会に出席したり、又は書面により議決権を行使したりすることができませんので、決議しても無効です。
集会においては、35条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
バイク置き場について議題に書かれていません。決議することはできません。よって、○。
4、機械式駐車場及びバイク置き場は、区分所有者全員の共有に属する附属施設なので、その撤去を行い更地にする場合は、共有物の処分行為に当たります。したがって、撤去については、区分所有者全員の同意がない限り、実施することはできません。
区分所有法17条より、全員の承諾は不要。区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による
集会の決議で決する。よって✖。
第25問の答えは 4 。