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イントロダクション
管理者に関する問題です。
マンションの管理組合の理事長のなり手はなかなかいないようですね。
何しろ大変な仕事ですから、マンションは数世帯から数百世帯が暮らす、いわば村や町、その「長」ともなれば苦労は計り知れません。
居住者の方も千差万
別「常識」なんて通用しません。先の先や深く深く考えて、万々が一のことを言い立てて苦情を言いに来る方もいらっしゃいます。居住者間のトラブルも理事長に持
ち込まれることもあります。
必要な工事(保
存行為の範囲内)をするときでも、業者からいくらかもらっているんじゃないかなどと疑われたり。
お疲れさまです。
平成30年 問 2 区分所有法
【問 2】管理者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1、集会の決議がなくとも、各区分所有者は、管理者の選任を裁判所に請求することができる。
2、管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないが、規約の定めにより書面の送付をもって報告に代えることができる。
3、管理者は、集会の決議により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
4、管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
ーマンション管理センター 過去問 よりー
解答
正しいものはどれかという問題です。自身のある選択肢にははっきり○、✖をつけておきましょう。
1、集会の決議がなくとも、各区分所有者は、管理者の選任を裁判所に請求することができる。
区分所有法 第25条(選任及び解任) 左記条項をクリックして確認してください。
第 2項に(前段省略)解任を裁判所に請求することができる。と書いてあります。
裁判所に請求できるのは「解任」です。 ✖ ですね。
2、管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないが、規約の定めにより書面の送付をもって報告に代えることができる。
区分所有法 第 43条にそのまま答えがあります。 左記条項をクリックして内容確認しておいてください。
明確に「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」とあり集会で報告しなければなりません。
この選択肢は ✖ ですね。
3、管理者は、集会の決議により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
集会の決議で原告又は被告となったのだから、組合員は知っていて当然のような気がしますね・・・。わざわざ通知する必要があるのでしょうか?
区分所有法 第 26条 (権限) 左記条項をクリックして内容確認しておいてください。
第 4項:管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
第 5項:管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
規約により原告又は被告になったときには遅滞なく報告しなければならないが、
集会の決議のときは報告する必要はない。
この選択肢は ✖ ですね。
4、管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
区分所有法 第 27条 (管理所有)左記条項をクリックして内容確認しておいてください。
第 1項:管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
この選択肢が ○ ですね。
管理所有とはなにか調べてみましょう。
マンションの共用部は管理組合の組合員全員で管理するのが決まりです。しかし、全員でああでもないこうでもないと意見を出し合っていたら、管理が遅滞してしまいます。そこで、管理者に便宜的に所有権を与え正当な管理をしてもらうという考え方です。
これはあくまでも便宜的なものですから、勝手に売却などはできません。
この問題の答えは 4 です。